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汽車とは呼ばなくなったのに、筆箱と呼ぶのはなぜ?消えない死語の理由

   

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駅に入ってきた乗り物を見て「汽車が来た!」と言うのは、よほどのお年寄りか冗談でなければ言いませんよね。

でも鉛筆やボールペンが入った入れ物を、まだ多くの人が「筆箱」と呼んでいます。なぜでしょうか?

今も残る古い言葉たち

「筆箱」に実際にを入れている学生がどれほどいるでしょうか? 最近は「ペンケース」なんて言葉も使われるようになってきましたが、小学校や中学校では未だに「筆箱」という呼び方の方が一般的だそうです。

  • 筆箱 ←筆なんて入れないし、箱じゃないのも多い
  • 下駄箱 ←下駄なんて入れないし、むしろ棚
  • レコード店 ←レコードなんて売ってない
  • 黒板 ←黒ってより緑
  • 歯磨き粉 ←粉じゃない
  • チンする ←「チン」なんて鳴らない

一方、廃れた言葉もあります。

  • 汽車(電車が普及してもしばらく使われていた表現。汽車自体はSLと呼ぶようになった)
  • 寝間着(ほぼパジャマに置き換わった)
  • 写真機
  • 手ぬぐい(日本手ぬぐい以外はタオルに置き換わった)
  • ブラウン管越しに(液晶の普及で徐々に消えた)

「誰から誰に伝えるか」が問題

このような言葉が無くならない理由を考えてみましょう。古い言葉で目立つのは、「筆箱」「下駄箱」「黒板」といった学校で使われる言葉です。

学校のコトバ

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生徒しか使わない表現であれば、一部の生徒が新しい表現を受け入れれば、先輩から後輩、兄弟を通じて新しい表現が一気に広まることでしょう。子供の方が新しい表現に馴染むのは早いですから、古い呼び方はすぐに淘汰されることと思います。それでも古い表現を使っているとカッコ悪いという扱いになっていきます。若い人に流行語や若者言葉と呼ばれるものが広まるのもそういった理由からでしょうね。

一方、生徒だけでなく教師も使う言葉であればどうでしょう。生徒が新しい表現を取り入れたところで、多くの教師は古い表現のまま呼び続けるでしょう。年配の人になるほど、新しい表現に馴染めずに古い表現を使い続ける傾向があります。一部の生徒が新しい表現を使い始めたとしても、先生が古い表現を使っている以上、古い表現はなかなか淘汰されずに残っていくことと思います。

さらに言えば、若い先生が新しい表現を使ったところで、年配の先生(=“偉い”先生)は古い表現に固執することと思います。学校を取り仕切る人たちが「下駄箱」と言い続ければ、その学校にとってそれは「下駄箱」のままです。

私が小学生の頃に担任だった先生はノートのことを「帳面」と呼んでいて、「何のことだろう?」と思ったことを覚えています。たぶんあの先生も「固執タイプ」だったんでしょうね。

話し手と受け手

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「汽車」という呼び方はどうでしょう。鉄道は老若男女様々な人が使います。ここでの表現を決めるのは、鉄道会社です。

恐らく一番影響を与えるのは駅での放送でしょう。「まもなく1番線に汽車が参ります」なんて表現は聞いたことがありません。どの鉄道会社も「電車」や「列車」という言い方をしています。それに準じて駅員や車掌も「汽車」と呼ばなくなったことでしょう。

普段使う言葉に使われるのは、普段耳なじみのある言葉でしょう。先生が「筆箱」と呼べばそれが普通になるように、駅で「電車」と呼ばれればそっちに倣います。

メディアの影響

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新しい表現が広まる原因にメディアの影響は無視できません。特にインターネットが普及する前ではテレビの影響が絶大でした。

テレビで電車の話題が登場することはままあるでしょう。でも下駄箱の話題が出ることはほとんど無いでしょうね。メディアが「ペンケース」「昇降口」なんて連呼すればそれが広まるでしょうが、そんな機会はありませんでした。

「レコード店」という言葉がなかなか消えないのは、CDを買って下さいという時の一般的な言い方として「全国のレコード店で手に入ります」なんて言い方をするからでしょう。特定のあの店ではなく一般的な言い方なので、実際にレコードを売っているかどうかはさして重要ではないんでしょう。

最近は「CDショップ」なんて言い方も増えていますね。VHSがDVDに、そしてBlu-rayになったように、CDもいずれは他のメディアに置き換わり、レコード店のように「CDを売っていないのにCDショップ」と呼ばれるのかもしれませんね。

まとめ

誰もが不思議に思ったことのある「消えない死語」の理由を探りました。

「言葉は生き物」なんて言い方もしますが、新語が単なる流行語でない形で定着するには、言葉が普及する道のりが必要なんでしょうね。

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