子育て世代は要注意!英語など今役立つ技能は将来いらなくなるかも?

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子供の将来のために英語を習わせようとか思っていませんか?

将来の職業を考えると、子供に英語やプログラミングを習わせてもあまり意味がないかもしれませんよ。

子供にどんな技能を習得させる?

自分の子供に将来どうなって欲しいですか?

今やグローバル社会。英語で苦労して欲しくないから小さいうちから英語を習わせよう

これからはコンピューターの時代。必修にもなると言われるプログラミングを先取って習わせよう

それらは無意味かもしれませんよ。

コンピューターの進歩が時代を変えていく

コンピューター技術は日進月歩です。すでに社会の様々な物を変革してきました。そしてその進歩がこれまで以上に「職業」に影響してくる時代になります。

失われた職業・失われつつある職業

過去で言えば駅の改札員。自動改札機の普及によって今や大型駅でも改札に配されるのは数人程度になりました。切符の販売ももっぱら自動券売機が担っています。駅員の業務は案内や障害者の手助けなどがメインになっていて、「切符を売る」「切符を切る」という職業はほぼ失われました。

現代であれば、イオンのスーパーにあるようなセルフレジ(画面の指示に従って自分でバーコードをスキャンして会計する)によってレジ係も削減されていますし、安価なビジネスホテルでは受付が機械対応です。Siriに代表されるコミュニケーション技術が発達すれば、客対応業務の多くは機械に置き換えられることでしょう。

今ならせいぜい「職人が手作りした刃物」「人が握る寿司」「職人が組み立てたエンジン」程度でしょう。それがいずれこうなります。

「人が対応するスーパーなんて初めて見た」

「人間が操縦する飛行機とか不安じゃない?」

「家を人間が建てるなんていつの時代だよ」

英語が必要なのは翻訳家だけになる

2010年代現在、日本中のあらゆる業種において英語と無縁ではいられなくなりました。ITの世界では、技術の中心はアメリカやイスラエル、開発は台湾、生産は中国というのが一般的です。どこも共通言語として英語が使われます。自動車などの技術系では、業務の一部を中国やインドに委託しています。国内で生産している製品でも、新たな販路を求めて新興国へ進出するのはもはや当たり前の流れ。観光などの国内向けサービスでも、世界中からやってくる観光客の対応のためには英語が当然のスキルとして求められます。

でもそれは2010年代のお話し。これからは変わっていきます。もちろん国際言語としての英語が失われるとは思っていません。でも、それを学ぶ必要があるのかというと違ってきます。

コンピューターが人間を超えるとき

現在のコンピューターの性能は、人間の脳に比べるとまだまだ劣っている面があります。単純に内部素子の数で言えば、コンピューターのトランジスタの数は脳のニューロンの数にまだ達していません。でもいずれ超えるときがきます。

Googleのサービスやスマートフォンのアプリで翻訳機能がありますよね。どんな長い英文も自動で瞬時に翻訳してくれます。でも精度はイマイチで、日本語であって日本語でない不自然な文章を頑張って読まないといけません。英訳した日本語がちゃんと伝わる文になっているかも怪しいです。

一方人間には「翻訳家」「通訳」という職業があります。つまり人間には日英訳が可能なのです。コンピューターが人間の能力を超えたとき、より自然で文脈に沿った伝わる自動翻訳がされるようになっても何ら不思議ではありません。むしろそうならない方がおかしいです。

人間が訳すのは法と文学だけになる

コミュニケーション上の言語の壁がコンピューターによって解決されれば、人間による「翻訳」が必要となる分野は限られてきます。

ひとつは法律。国際法や国際条約などは人間が厳しくチェックして齟齬や曖昧さが無いようにしないといけません。高度に政治的な会談でも人間が必要でしょう。このような分野での「厳密さを求める翻訳家」は残るでしょう。ただ、企業間の契約書などでは考えの偏りが無いようにむしろ機械翻訳の方が好まれるようになるかもしれません。

もうひとつは文学です。単なる解説書などでは機械翻訳で問題なくなることでしょうが、高度に文化的な文章については人間の翻訳が必要になるでしょう。例えば日本の俳句では、短い言葉に込められた情景や感情を機械が完全に理解し、かつ他国語でも俳句の良さを崩すことなく表現するのは難しいでしょう。こちらでも例えば映画におけるジョークの翻訳なんかでは、雰囲気に合う他言語のジョーク集の中から適当なものを選択するのは機械の方が得意そうです。

人間がプログラミングする時代は終わる

2010年代においては、プログラミングも一つの重要な職業になっています。プログラミング技能を生かしてスマートフォンアプリを作って設ける人もいれば、デスマーチ(死の行進)の連続の「IT土方」と呼ばれる人たちもいます。

プログラミングにはつきもののバグ。プログラムを人間が作る以上はミスを完全に回避することはできません。でもコンピューターならミスとは無縁ですよね?

再帰的進化

今は人間がコンピューターの設計をしています。ハードウェアもソフトウェアもです。でももし「プログラムを高度に修正するプログラム」が作られたらどうでしょうか? プログラム自身が内部に潜むバグを修正する。プログラム自身が自分を多機能で使いやすく改良する。進化したプログラムがさらにプログラム自身を進化させる。そのようなプログラムができると同時に、あらゆるプログラムは再帰的に自分自身を進化させ、あっという間に人間のプログラムを凌駕する存在になります。(Wikipedia「技術的特異点」参照

ハードウェアの進化は少なくとも材料や物性などの物理的な法則に縛られますが、ソフトウェアは急激に人間だけではとうてい到達できない領域に進化することでしょう。こんな時代に「プログラマー」なんて職業が必要でしょうか?

コンピューターが想像を絶する速度で進化する時代が必ずやってきます。一説には2045年、30年も経たないうちやってくると言われています。あなたの子供はその時何歳ですか?

人間しかできない職を考えろ

英語が堪能でプログラミングに自信あり。そんな人は将来いらなくなります。今の時代で言えば「ハガキ仕分けの達人」とか「超人的速度の電話交換士」とかみたいなものです。それで食べていけますか?

子供を将来困らせたくなかったら、人間にしかできない職業を考えましょう。知識や速度、正確さでは絶対にコンピューターやロボットに勝てません。

子育て・教育

子を育てるのを機械に代わってもらうことはできません。人とのコミュニケーションを機械から教わっても習得するのは難しいと思います。

もちろん機械に置き換わるものも多いと思います。宿題の分からないところを教えたり、赤ちゃんのオムツ交換程度であれば機械でも問題ないでしょう。ただ、弟をいじめる兄を叱ったり、自転車に乗れるようになった子供を褒めたりするのは人間じゃないといけませんよね。

保育士、小学校の先生などが無くなることはないでしょう。

ただ教育に関して言えば、今の学校教育自体がほとんど無意味になっていくと思います。今ですら、「記憶」を中心にした教育方針はあまり意味がなくなってきています。カリウムの炎色反応が何色なのか、寛政の改革が何年なのか、鉄鉱石がどこで取れるのか、そんなものはWikipediaが教えてくれます。記憶の能力で評価される、そんな教育はいずれ駆逐されなくてはいけません。

医者・看護師の一部,カウンセラーなど

これはもう絶対になくならないのはカウンセラーです。コンピューターは人間の悩みを理解することはできても、悩みに共感し、癒し、アドバイスするところまでは難しいでしょう。特に悩みが不快ほど難しくなります。

人を癒すという点では、看護師もなくならないと思います。手術前の不安を取り除いたり、なかなか治らない患者を励ましたり。助産師なんかも必要でしょうね。ただ、食事を運んだり患者を着替えさせたりといった雑務的な面はロボットで十分置き換え可能だと思います。手術の執刀も、症例不足などでない限りロボットの正確さに頼った方が良さそうです。

芸術家,作家,芸能人

人の文化や娯楽に関わる職業も多くは残ることでしょう。

簡単なイラストならまだしも、絵画や彫刻は人間にしか出せない「味」があります。作家も、人間ならではの趣や美しさ、不思議さや巧妙さが求められます。映画などの映像作品では、アニメーションは機械化が進むかもしれませんが人間が出演するものは人間が必要であり続けます。

こういった世界に身を置く人は現在ですらかなりの少数派であることは注意しないといけません。職業がどんどん失われる時代に作家や芸能人になるのは、今以上に難しくなることでしょう。

重要なのは「創造力」

これからの時代に必要なのは、新しいアイディアを生み出す「創造力」です。

コンピューターが進歩していっても、今のように計算速度の向上をしていく限りは創造力を身に付けることはできません。モノ(プログラム含む)を生産するのは機械だったとしても、何を作るかを決めるのは人間です。

語学力や記憶力といった「既存のものを脳に入れる」力を鍛えるよりも、「新しいものを脳から生み出す」方を鍛えることの方がずっと重要です。

まとめ

100年単位でしか技術が進歩しない時代では「読み書きそろばん」のように自分の時代で考えれば十分でした。でも現代のように技術革新が速い世の中では、自分の時代の範囲だけで考えず、子供が生きる時代を想定した教育をしなくてはいけません。習字とそろばんは習い事の定番でしたが、今はタイピングとExcelの方がよっぽど役に立ちますよね。

子供の将来を考えるなら、まずはどんな職業が生き残るのかを考えてみましょう。